これは、よく言いますよね。特に、子供の頃によく話題になった気がします。白い部分が全然ない子もいて、その子が結構そのことを気にしてたりして。ちなみに、私、田平はしっかりあります。「健康の証拠だ」と思っていい気になっていたのですが、

ち、違うんですか?

神奈川にある田村胃腸科・内科クリニックの田村光広先生に聞いてみました。

「指の爪の白い部分ありますよね」「ああ、ハンゲツのことですね」「あれハンゲツっていうんですか?」「ええ、半月とか爪半月(そうはんげつ)と呼ばれています」

「あれがあると『健康のしるし』っていわれますけど、本当なんですか?」

「いや、そんなことないと思いますよ」あらっ。そうなんだ。

「あの白い部分は、空気なんです。空気が爪と下の皮膚の間に入っていて、それで白く見えるんです」

これは新発見。爪の白い部分は空気だった!

「なので、健康とは関係ないと思います」

物心ついてからこのかた、爪を見るたび「自分は健康だ」と思い続けていた田平としては、このままでは引き下がれません。漢方の処方で有名な千葉の右島薬局にも確認してみます。

「爪の半月が『健康のしるし』ってよくいいますけど、これは本当ですよね」

「いや、『あるから健康』『ないから不健康』とは一概にいえません」やっぱりそうなんですね……。

「それより、爪がやわらかくなったりもろくなったりしていると、漢方では『血虚(けっきょ)』といって、血液が不足しているような状態になっている可能性があります。西洋医学でいう貧血ですね」

「そうすると、半月は関係ないけども、爪には健康状態が表れるわけですね」

「心臓に病気があると、指先が丸く大きくなって、爪も大きくなったりします。そういって差し支えないと思いますよ」

「爪の白い部分」は直接関係ないが、「爪」は健康のバロメーターになる。こういうことなのでした。